はじめに
訪問看護を行う介護事業者であれば押さえておきたい制度に「ターミナルケア加算」があります。
この資料は、訪問看護のターミナルケア加算の算定に向けた前提となる情報を把握するために活用いただく資料となっています。
具体的な解釈や申請等については、公表されている最新情報をもとに、所轄官庁へお問い合わせいただきますよう何卒宜しくお願い致します。
ターミナルケア加算とは?
ターミナルケア加算とは、ターミナルケアを行う体制を整え、ターミナル期の利用者にターミナルケアを実施することを評価する加算です。
在宅での介護、療養が推進される中、訪問看護ステーションによるターミナルケアは、利用者が最後まで在宅で生活するために必要なサービスとなっています。
令和元年12月時点では、介護保険のターミナルケア加算の算定率は『8.9%』となっています。
また、ターミナルケア加算を算定している人数が算定要件の一つとなっている「看護体制強化加算」は、算定率が(I)が『2.6%』、(II)が『4.7%』となっています。
このようにターミナルケア加算を算定している事業所は多いとは言えない状況ですが、医療保険における訪問看護ターミナルケア療養費も含めると、ターミナルケアの取り組みを行うことによって、算定できる報酬の範囲は大きく拡がります。
それでは、介護保険におけるターミナルケア加算について、単位数や算定までの流れなどを見ていきましょう。
ターミナルケア加算の単位数
| 加算の種類 | 単位数 |
| ターミナルケア加算 | 2,000単位/月 |
【【参考】
看護体制強化加算(I):550単位/月
●前12月間においてターミナルケア加算を算定した利用者が5名以上
看護体制強化加算(II):200単位/月
●前12月間においてターミナルケア加算を算定した利用者が1名以上
※看護体制強化加算を算定するためには、上記以外にも満たさなくてはいけない算定要件があります。
ターミナルケア加算の算定要件
算定要件
●●24時間連絡できる体制を確保し、必要に応じて訪問できる体制を整備していること。
●所轄官庁へ体制の届出を行っていること。
●主治医との連携の下に、ターミナルケアに係る計画、支援体制について、利用者とその家族に説明し、同意を得てターミナルケアを行っていること。
●死亡日、死亡日前14日以内に2日(※特定の利用者については1日)以上ターミナルケアを行っていること。
●ターミナルケアの提供について必要な事項が適切に記録されていること。
| ターミナルケア加算を算定するタイミング |
| ●ターミナルケアを実施した後、在宅で死亡した日の属する月●ターミナルケアを実施した後、24時間以内に在宅以外で死亡した日の属する月 |
※特定の利用者(1日のターミナルケアで算定できる利用者の状態)
以下のいずれかに該当する状態を指します。
| ●末期の悪性腫瘍●多発性硬化症●重症筋無力症●スモン●筋萎縮性側索硬化症●脊髄小脳変性症●ハンチントン病●進行性筋ジストロフィー症●パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がII度又はIII度のものに限る)) | ●多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレ―ガー症候群)●プリオン病●亜急性硬化性全脳炎●ライソゾーム病●副腎白質ジストロフィー●脊髄性筋萎縮症●球脊髄性筋萎縮症●慢性炎症性脱髄性多発神経炎●後天性免疫不全症候群●頚髄損傷●人工呼吸器を使用している状態●急性憎悪他、主治医が一時的に頻回の訪問看護の必要を認めた状態 |
ターミナルケア加算を算定するまでの流れ
24時間連絡体制、必要に応じて訪問できる体制の構築
| 体制構築のポイント |
| ●オンコール体制や夜間の勤務体制など、事業所で採用する体制を明確化する。(オンコール体制を採用する事業所が多い。)●オンコール手当や夜勤手当を給与規程等に定める。●オンコール体制に使用するスマートフォン等を準備する。●固定電話回線からスマートフォンへ転送ができるように準備する。●オンコール対応や緊急時の訪問対応についてのマニュアルを整備する。 |
| おすすめポイント |
| スマートフォンと合わせて『タブレット』を導入することで、電話応対時に利用者の情報を確認しながら通話することができるので、とても便利です。また、緊急の訪問時にも情報の確認や記録の入力などで役立ちます。 |
所轄官庁への届出
| 【提出書類】 |
| ●介護給付費算定に係る体制等に関する届出書●介護給付費算定に係る体制等状況一覧表●ターミナルケア加算に係る届出書 ※書類名等は例示です。具体的な提出書類は所轄官庁へお問い合わせください |
| ターミナルケア加算に係る届出書の記載内容 |
| ●24時間常時連絡体制の有無●ターミナルケアの記録の体制の有無 |
利用者・家族への説明、同意
契約の重要な事項を説明するための書類である重要事項説明書には、事業所が算定する加算について記載する欄があります。新たにターミナルケア加算を算定することになった場合、重要事項説明書に記載し、その内容を利用者・家族へ説明し、同意を得ることになります。
【重要事項説明書の記載例】
| 加算 | 単位数 | 算定回数等 |
| 緊急時訪問看護加算 | ○○単位 | 1月に1回 |
| 特別管理加算 | ○○単位 | 1月に1回 |
| ターミナルケア加算 | ○○単位 | 死亡月に1回 |
| 複数名訪問看護加算 | ○○単位 | 1回当たり(30分未満) |
| ○○単位 | 1回当たり(30分以上) | |
| 長時間訪問看護加算 | ○○単位 | 1回当たり |
| サービス提供体制強化加算 | ○○単位 | 1回当たり |
ターミナルケアの実施、記録
| ターミナルケア実施のポイント |
| ●所定の事項を訪問看護記録書に記録する。●他の医療及び介護関係者と連携を図る。 |
| 訪問看護記録書に記載する事項 |
| ●終末期の身体症状の変化及びこれに対する看護についての記録●療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの経過についての記録●看取りを含めたターミナルケアの各プロセスにおいて利用者及び家族の意向を把握し、それに基づくアセスメント及び対応の経過の記録⇒「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に沿う。 |
ターミナルケア加算の留意点
●利用者の死亡月にターミナルケア加算を算定します。ターミナルケアを最後に行った日の属する月と利用者の死亡月が違う場合には、死亡月に算定します。
●1人の利用者につき、1ヵ所の事業所等だけがターミナルケア加算等(介護保険における訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護におけるターミナルケア加算、医療保険における訪問看護ターミナルケア療養費、訪問看護指導料の在宅ターミナルケア加算)を算定できます。
●1つの訪問看護ステーションにおいて、医療保険と介護保険における訪問看護をそれぞれ1日以上実施した場合には、最後に実施した保険制度におけるターミナルケア加算等を算定します。
●ターミナルケアを実施中に、死亡診断を目的として医療機関へ搬送し、24時間以内に死亡が確認される場合等については、ターミナルケア加算を算定することができます。
このコンテンツは
令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成致しております

