はじめに
訪問看護を行う介護事業者であれば押さえておきたい制度に「緊急時訪問看護加算」があります。
この資料は、緊急時訪問看護加算の算定に向けた前提となる情報を 把握するために活用いただく資料となっています。
具体的な解釈や申請等については、公表されている最新情報をもとに、所轄官庁へお問い合わせいただきますよう何卒宜しくお願い致します。
緊急時訪問看護加算とは?
緊急時訪問看護加算とは、中重度の要介護者の在宅生活を支えるために、24時間365日、 緊急の連絡や緊急の相談、緊急時の訪問依頼等に対応する体制を構築している事業所を評価するために設けられている加算です。
緊急時訪問看護加算を算定することは、看護体制強化加算の算定要件の一つでもあり、また、 24時間連絡体制は、ターミナルケア加算を算定するための体制としても求められています。
このように訪問看護ステーションを経営する上で重要な加算となっていることから、令和元年 12月時点では、『82.7%』の事業所が、緊急時訪問看護加算を算定しています。
新規で事業所を立ち上げ・開設する方は、算定要件と算定するまでの流れをしっかりと確認しておきましょう。
緊急時訪問看護加算の単位数
| 加算の区分 | 単位数 |
| 訪問看護ステーションの場合 | 574単位/月 |
| 病院又は診療所の場合 | 315単位/月 |
【参考例】
●訪問看護ステーションで対象となる利用者が月に100人いる場合
100人×574単位×@10円 ⇒ 1月あたり57万4千円
緊急時訪問看護加算の算定要件
●利用者やその家族からの相談や連絡に24時間対応できる体制であること。
●計画していた訪問以外の緊急時の訪問ができる体制であること。
●所轄官庁に届け出ていること。
●利用者やその家族に緊急時訪問看護加算の算定について書面で説明し、同意を得ていること。
| 算定のポイント |
| ●訪問看護の緊急時訪問看護加算等は、1人の利用者に対して1ヵ所の事業所しか算定できないため、他の事業所から緊急時訪問看護加算等に係る訪問看護を受けていないか確認する必要があります。 ※訪問看護の緊急時訪問看護加算等とは、『訪問看護の緊急時訪問看護加算』、『定期巡回・随時対応型訪問介護看護の緊急時訪問看護加算』、『看護小規模多機能型居宅介護の緊急時訪問看護加算』、『医療保険における訪問看護の24時間対応体制加算』を指しています |
緊急時訪問看護加算を算定するまでの流れ
体制の構築 | ・24時間連絡体制の構築・緊急時に訪問する体制の構築 |
所轄官庁へ届出 | ・介護給付費算定に係る体制等に関する届出書・介護給付費算定に係る体制等状況一覧表・緊急時訪問看護加算に係る届出書・従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表 |
利用者・家族への説明 | ・重要事項説明書の変更・利用者・家族へ説明し、同意を得る |
体制の構築
| 体制構築のポイント |
| ●オンコール体制や夜間の勤務体制など、事業所で採用する体制を明確化する。(オンコール体制を採用する事業所が多い。) ●オンコール手当や夜勤手当を給与規程等に定める。 ●オンコール体制に使用するスマートフォン等を準備する。 ●固定電話回線からスマートフォンへ転送ができるように準備する。 ●オンコール対応や緊急時の訪問対応についてのマニュアルを整備する。 |
| おすすめポイント |
| スマートフォンと合わせて『タブレット』を導入することで、電話応対時に利用者の情報を確認 しながら通話することができるので、とても便利です。 また、緊急の訪問時にも情報の確認や記録の入力などで役立ちます。 |
所轄官庁への届出
緊急時訪問看護加算・特別管理体制・
ターミナルケア体制に係る届出書には、
●連絡相談を担当する職員
●連絡方法
●連絡先電話番号
を記載します。
緊急時訪問看護加算の留意点
●緊急時訪問看護加算は、その月の1回目に訪問した訪問看護の所定単位数に加算します。
●実際に緊急時訪問を行った場合、その所要時間に応じた所定単位数を算定します。そして、居宅サービス計画を変更する手続きを取ります。
●その月の1回目の緊急時訪問は、早朝・夜間、深夜の時間帯に訪問した場合でも、早朝・夜間、深夜の加算は算定できませんが、同月の2回目以降の緊急時訪問については、早朝・夜間、深夜の時間帯に訪問した場合、早朝・夜間、深夜加算を算定することができます。
| よくある【指導事例】 |
| ●利用者に対して説明し、その同意を得たことが記録から確認できなかった。●緊急時訪問を行った場合に、1回目の緊急訪問について早朝・夜間、深夜訪問看護加算を算定していた。●24時間連絡体制について夜間は併設の有料老人ホームの職員が連絡を受ける体制になっていた。 |

このコンテンツは
令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成致しております

