はじめに
訪問看護を行う介護事業者であれば押さえておきたい制度に「退院時共同指導加算」があります。
本資料は、退院時共同指導加算の算定となる情報を把握するために活用いただく資料となっています。
具体的な解釈や申請等については、公表されている最新情報をもとに、所轄官庁へお問い合わせいただきますよう何卒宜しくお願い致します。
退院時共同指導加算とは？
退院時共同指導加算とは、医療機関等からの退院後に、円滑に訪問看護を提供できるように、 入院中に訪問看護ステーション等の看護師等が医療機関のスタッフと共同して、在宅での療養 上必要な指導を行うことを評価する加算です。
令和３年度介護報酬改定では、退院時共同指導について、新型コロナウイルス感染症対策やＩＣＴ活用の観点から、テレビ電話等の活用が認められるように変更が行われました。 医療機関等からのスムーズな退院、在宅生活への移行が進められている状況で、退院時共同指 導加算を算定できる体制を取ることは、訪問看護ステーションを経営する上で重要となっています。
それでは、退院時共同指導加算の単位数や算定要件、併算定できない加算等の留意点について見ていきましょう。
退院時共同指導加算の単位数
| 加算の種類 | 単位数 |
| 退院時共同指導加算 | ６００単位／回 |
退院時共同指導加算は、退院・退所につき１回を限度として算定することができます。但し、特別な管理を必要とする利用者については、退院・退所につき２回を限度として算定することが可能です。
| 特別な管理を必要とする利用者とは？ | |
| 在宅悪性腫瘍等患者指導管理在宅気管切開患者指導管理気管カニューレの使用留置カテーテルの使用在宅自己腹膜灌流指導管理在宅血液透析指導管理在宅酸素療法指導管理在宅中心静脈栄養法指導管理 | 在宅成分栄養経管栄養法指導管理在宅自己導尿指導管理在宅持続陽圧呼吸療法指導管理在宅自己疼痛管理指導管理在宅肺高血圧症患者指導管理人工肛門、人口膀胱の設置真皮を越える褥瘡週３日以上の点滴注射 |
退院時共同指導加算の算定要件
●病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院から退院・退所する利用者やその看護にあた る者に対して、訪問看護ステーションの看護師等（准看護師を除く。）が、病院等の主治医、 その他従業者と共同して在宅での療養上の指導を行うこと。
●退院時共同指導の内容を文書によって提供すること。
●退院・退所後に訪問看護を提供すること。
●退院時共同指導の内容を訪問看護記録書に記録すること。
| 令和３年度の変更点：退院時共同指導の実施方法 |
| テレビ電話等を活用して、退院時共同指導を行うことができます。 テレビ電話を活用して実施するポイント ●利用者またはその看護に当たる者の同意を得る。 ●「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報 システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守する。 |
退院時共同指導の様式
訪問看護の退院時共同指導は、指定の様式・書式がありません。
そのため、医療機関等によって、進め方や使用する様式、記載される内容に違いがあります。
都道府県・市町村によっては、業務の効率化を図るために、共通様式として『様式』を設けていることがあります。
退院時共同指導加算の留意点
●退院時共同指導加算は、退院・退所後の１回目に訪問した訪問看護の所定単位数に加算します。
●退院時共同指導加算は、初回加算と併算定できません。
●複数の訪問看護ステーション等（介護保険における訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介 護看護、看護小規模多機能型居宅介護、医療保険における訪問看護）が、退院時共同指導を行う場合には、主治医の所属する医療機関等へ他の訪問看護ステーション等における退院時共同 指導加算の算定状況を確認する必要があります。
●退院時共同指導加算を１回しか算定できない利用者に対して、複数の訪問看護ステーション 等が退院時共同指導を行う場合には、１ヵ所の訪問看護ステーション等だけしか加算を算定できません。
●退院時共同指導加算を２回算定できる利用者に対して、複数の訪問看護ステーション等が退院時共同指導を行う場合には、２ヵ所の訪問看護ステーション等において、それぞれが１回ず つ退院時共同指導加算を算定することも可能です。
このコンテンツは
令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成致しております
